◆◆クラフト史・頼 空陀◆◆


    

   〜ヒット曲〜  
     

         
  ご存知のように、クラフト最大のヒット曲は1975 年の『僕にまかせてください』(詩曲:さだまさし)である。
当時、クラフトとグレープ(さだまさし、吉田政美)は同じ音楽事務所に属しており、
またレコード会社の担当ディレクターも同じだった。

 そんな関係でこの曲は生まれ、また日本テレビ系列のドラマ『ほおずきの唄』のテーマ曲として
1975 年4月、世に送り出され、当時の叙情派フォーク全盛(実際にはもう下り気味ではあったのだが…)
の波に乗り、ヒット。これでクラフトはある意味では、市民権を得ることが出来、
また多くの人々に、その名を知ってもらう事になる。
 ただ、メンバーの気持は多少複雑だったようだ。
なぜなら自分たちが目指した音楽とは180 度ちがう曲でのヒット。音楽的進路変更を余儀なくされたのである。
続く1975 年11 月のシングル『さよならコンサート』(前作と同じく、さだまさし氏の作品)もヒット。
これによりさらにクラフトというグループのイメージ(叙情派系フォークグループ)が固まったのである。
ドラムの飯野一雄はこれを機に脱退、あらたに福岡県出身の若手ドラマー松藤一英が加入することになる。
松藤一英は、ヤマガタスミコやクラフトを長年追い続けてきた写真家の御堂義乗氏の紹介であった。
(松藤と御堂は東京写真大学の同窓生でもある)。
こうして第二期のクラフトが、新たにスタートすることになる。