◆◆クラフト史・頼 空陀◆◆ 


    

   〜ほのぼのコンサート〜 
     

         
 
 70 年代~80 年代のころの、グレープやクラフトのファンの人たちだったらきっとご存知であろうが、
この頃、所属事務所主催の『ほのぼのコンサート』というのが、
東京は芝のABC ホールで、多分隔月であったと思うが良く開催されていた。
事務所所属のアーティストはもとより、ゲストアーティストを迎えてのコンサートは、
とてもバラエティーに富んだステージが繰り広げられていた。

 もちろん、各々のライブパフォーマンスが主軸ではあるが、
特別なコーナーとして“さだまさし”の脚本?によるお芝居?コーナーというものがあった。
といっても、本格的な芝居など出来るはずもなく、いわゆるちょっとしたコミカル的?コント的な短い芝居であった。
クラフトの面々もいろんな役を与えられて、悪戦苦闘の舞台であったようだ。
ある時などは、森谷はその風貌から「フーテンの寅さん」的な役をもらい、
あの例の口調で器用にこなしていたこともあった。三井は柄も柄だけにカツラをかぶって女性役が多かったようである。
松藤や金吾はそのまま、若者?の役。
 ある時、長い台詞がどうしても覚えられず、三井は“てのひら”にマジックでセリフを細かく書いて、それを盗み見しながら芝居を続けていた。
それを発見した金吾に舞台上で、そのことを暴露!!され、会場皆大笑いになった事がある。
芝居っ気のない三井には、とても重荷?だったようで、毎回、コンサートが近づくと憂鬱になっていたそうである。

 しかし、この『ほのぼのコンサート』はファンの人たちには大変喜ばれていて、毎回満員御礼の様相を呈していた。